- 明治がキューブタイプの粉ミルクを高速製造可能な新製法にリニューアル
- 多段圧縮法や過熱水蒸気硬化法を開発し、高強度のキューブを短時間で形成
- 新形状の開発により溶解性と強度を維持し、袋から取り出しやすいキューブを提供
- 製造効率向上と製造装置改善に新製法を活用
製剤機械技術を食品へ高度に応用した事例として 2023年にリニューアルしたキューブタイプの粉ミルクの製法や形状について講演~製剤機械技術学会第34回大会にて~ | 2024年 | プレスリリース・お知らせ | 株式会社 明治 – Meiji Co., Ltd.
製剤機械技術を食品へ高度に応用した事例として 2023年にリニューアルしたキューブタイプの粉ミルクの製法や形状について講演~製剤機械技術学会第34回大会にて~のページです。株式会社 明治は、ヨーグルト・チーズ・牛乳などの乳製品、チョコレート、栄養食品など、おいしさと栄養価値にこだわった商品・サービスを提供しています。
製剤機械技術を食品へ高度に応用した事例として 2023年にリニューアルしたキューブタイプの粉ミルクの製法や形状について講演~製剤機械技術学会第34回大会にて~ 2024/12/19 株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、キューブタイプの粉ミルク「明治ほほえみ らくらくキューブ」「明治ステップ らくらくキューブ」の日本国内での売上拡大や海外での事業拡大※1を背景に、課題があった低速製造のキューブ製法から、高速製造可能な新製法(多段圧縮法、過熱水蒸気硬化法)に一新※2し、2023年よりリニューアルした商品を販売しています。その際、併せてキューブ形状を変更することで、高い溶解性と強度を維持し、袋から取り出しやすくしています。一連の研究の歴史および成果について、製剤機械技術を食品に高度に応用した事例として、2024年10月18日に製剤機械技術学会第34回大会にて講演しました。 研究成果の概要 ① 多段圧縮法の開発 これまでキューブに十分な強度を得るためには低速度で圧縮成形する必要があり、多くの時間を要していました。そこで圧縮成形途中で圧縮速度を制御する多段圧縮法を開発し、短時間で高強度のキューブの成形を可能にしました。 ② 過熱水蒸気硬化法の開発 口腔内崩壊錠(OD錠)の製造技術の中で、崩壊剤などの添加物を使用しない加湿乾燥法の技術を応用し、食品加工などで利用される過熱水蒸気処理を用いることで高速硬化処理を可能にしました。 ③ 新形状の開発 日本薬局方の溶出試験法(回転バスケット法)を参考に独自に開発したキューブ溶解性評価技術や疲労破壊試験法などにより、キューブの最適形状を検討しました。これにより溶解性と強度はそのままに、さらに袋から取り出しやすい形状に変更しました。 図1 キューブタイプの粉ミルクの製法および形状検討概念図 研究成果の活用 高速製造可能な新製法の開発は、キューブの生産効率向上だけでなく製造装置改善にも活用しています。これまでキューブタイプの粉ミルクの製造装置は、ほとんどキューブ製造専用に設計されていたため、生産効率だけでなくメンテナンス面でも課題がありました。そこで、市販の製剤機械に新製法を組み込んで改造し、キューブ製造に利用することにしました。これにより製薬産業との相補的な技術開発も可能となりました。また、新形状の開発にあたり、溶解性の管理手法を改善し、日々の溶解性管理や形状変更による溶解性への影響などを確認できるようになりました。 研究の目的 「明治ほほえみ らくらくキューブ」「明治ステップ らくらくキューブ」は、計量の手間なく誰もが簡単に調乳ができる利便性から、日常での使用が拡大しています。その中で、お客さまのニーズとしてあった「溶けやすさはそのままに、袋からの取り出しやすさ」を実現し、さらなる利便性向上を図ることを目的に、キューブの形状の改良を行いました。また、キューブタイプの粉ミルクの生産効率を高めて製造し、ご利用いただく方を増やすことで、キューブタイプの粉ミルクという利便性に優れている製品を世界に届けることを目指します。 ※1欧州ダノン社とのキューブタイプの粉ミルクに関する事業提携についてhttps://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2021/0317_02/index.html ※2キューブの形状によるリニューアル発売についてhttps://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2023/0926_01/index.html 講演内容 タイトル: 乳幼児用固形化粉ミルクの開発 講演概要: 固形化粉ミルクとは乳幼児用調製粉乳をOD錠の技術を利用して錠剤化したものです。錠剤化することで計量不要で持ち運びがしやすいなど、有用な剤形となっています。一方で実用化するためには、添加剤を使用することなく溶解性と強度を両立する必要があり、その製造は容易ではありませんでした。近年では国内外での需要拡大を受けた大幅な製法の見直しなども行っており、これらの段階的な製法検討の歴史について紹介します。 高速圧縮成形: 圧縮の式(Heckel)にて原料粉体の弾塑性変形領域を特定し、弾性変形領域では高速、塑性変形領域では低速圧縮を行うことで、短時間で同一強度の錠剤を得ることができました。(多段圧縮法) 高速加湿乾燥: 過熱水蒸気の持つ高い伝搬力を利用し、加湿乾燥処理時の粉体層内部の液架橋構造の形成を促進することで硬化処理を高速化する製法を開発しました。 形状検討①溶解性評価: 日本薬局方の溶出試験法(回転バスケット法)を参考に、キューブの溶解性を定量的に評価可能な溶出試験機を開発しました。6穴形状が最も優れた溶解性を示しました。 形状検討②強度評価: 複数回の落下衝撃を与えることで疲労破壊試験を実施し、得られるヴェーラー曲線からキューブの強度を評価しました。その結果、6穴形状が最も優れた強度を示しました。 シェア
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ソース:https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/1219_01/index.html?link=rss
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