- 妊娠中の母親のナッツなどの種実類の摂取が5歳の子どもの仲間関係問題発生リスクを低下させる可能性を報告
- 研究成果は「Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition」に発表
- 愛媛大学との共同研究により得られた成果であり、出生前コホート研究を実施
- 妊娠中の母親の食事が子どもの精神行動発達に影響を与えることが示唆された
- 妊娠中の母親の種実類の摂取が子どもの仲間関係問題を予防できる可能性を報告
- 今後も母子栄養に関する研究を進め、栄養摂取と精神行動発達の関連性を明らかにする
妊娠中の母親のナッツなどの種実類の摂取が5歳の子どもの仲間関係問題発生リスクを低下させる可能性を報告~3月7日 国際科学雑誌Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutritionにて論文発表~ | 2024年 | プレスリリース・お知らせ | 株式会社 明治 – Meiji Co., Ltd.
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妊娠中の母親のナッツなどの種実類の摂取が5歳の子どもの仲間関係問題発生リスクを低下させる可能性を報告~3月7日 国際科学雑誌Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutritionにて論文発表~ 2024/04/03 株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は国立大学法人 愛媛大学大学院 医学系研究科 疫学・公衆衛生学講座(教授:三宅 吉博)との共同研究により、妊娠中の母親の種実類の摂取が出産後の子どもの5歳時における仲間関係問題※1の発生リスクを低下させる可能性があることを報告しました。 本研究成果は国際科学雑誌「Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition」(J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2024;1-9. doi:10.1002/jpn3.12177)にて発表されています。 当社は、愛媛大学の三宅吉博教授が実施した出生前コホート研究である、「九州・沖縄母子保健研究」に参画し、大規模なデータセットを用いた疫学的解析を行っています。従来から、妊娠中の母親の食事をはじめとする環境要因が子どもの精神行動発達に重要な役割を果たしていると言われていましたが、今回の研究では、妊娠中の母親の種実類の摂取が子どもの仲間関係問題を予防できる可能性があることを報告しました。 当社は、母子栄養に関する多角的研究の一つである「九州・沖縄母子保健研究」に引き続き参画し、妊娠中の母親の栄養摂取と子どもの精神行動発達の関連性を明らかにすることで、母親と子どもの栄養に関する基盤情報を蓄積してまいります。さらに、それらの基盤情報をもとに、周産期の女性に適した栄養食品の開発と栄養情報の提供を行ってまいります。 論文内容 タイトル Nut consumption during pregnancy is associated with decreased risk of peer problems in 5-year-old Japanese children(妊娠中の種実類の摂取は日本の5歳時幼児の仲間関係問題のリスク低下と関連している) 発表者 Nguyen Quynh Mai1、三宅 吉博2,3,4,5、田中 景子2,3,4,5、蓮尾 静香1、中村 吉孝1、大久保 公美2,6,7、佐々木 敏8、荒川 雅志9,10 1株式会社 明治 乳酸菌研究所 2愛媛大学大学院医学系研究科疫学・公衆衛生学講座 3愛媛大学大学院医農融合公衆衛生学環 4愛媛大学医学部附属病院先端医療創生センター研究推進支援ユニット 5愛媛大学データサイエンスセンター 6国立環境研究所JECS Programme Office 7日本学術振興会 8東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野 9琉球大学国際地域創造学部/観光科学研究科 10大阪観光大学国際交流学部 方法 「九州・沖縄母子保健研究」の5歳時における追跡調査に参加した1,199組の母子から得た情報を解析対象としました。 ① 妊婦の栄養情報については、妊娠中に食事歴法質問調査票を用いて調査しました。また、子どもの精神行動発達における情緒問題、行為問題、多動問題、仲間関係問題、および低い向社会的行動については、「子どもの強さと困難さアンケート」※1を用いて評価しました。 ② 妊娠中に種実類を摂取しなかった群を基準とした場合の、種実類を摂取した群における各精神行動発達問題の生じるリスクを比較しました。その際、非栄養要因である母親の年齢、妊娠週、居住地、子数、両親の教育歴、家計の年収、妊娠中の母親のうつ症状、妊娠中の母親のアルコール摂取、妊娠中の母親の喫煙、子どもの出生体重、性別、母乳摂取期間及び生後1年間の受動喫煙の影響を補正しました。さらに栄養要因として、種実類と仲間関係問題との関連において、過去に仲間関係問題のリスクを低下させることが明らかになっている総大豆製品摂取の影響※2を補正しました。 結果 妊娠中に種実類を摂取しなかった群と比べて摂取した群の補正オッズ比(OR)※3は0.64(95%信頼区間(CI):0.42−0.97)と有意な関連を認めました(下図)。 結論 妊娠中の種実類の摂取は、5歳の子どもの仲間関係問題のリスクを低下させることが示されました。今回の結果を確認するためには今後のさらなる研究が必要です。 ※1「子どもの強さと困難さアンケート(Strengths and Difficulties Questionnaire:SDQ)」 (https://ddclinic.jp/SDQ/index.html)の質問項目への回答をスコア化して評価しました。仲間関係問題は他の子どもとの関係性を評価することによって明らかになり、具体的には以下の事例を指標としています。・一人でいるのが好きで、一人で遊ぶことが多い・仲の良い友だちが少なくとも一人はいる・他の子どもたちから、だいたいは好かれているようだ・他の子から、いじめの対象にされたり、からかわれたりする・他の子どもたちより、大人といる方がうまくいくようだ ※2Miyake Y, Tanaka K, Okubo H, Sasaki S, Tokinobu A, Arakawa M. Maternal consumption of soy and isoflavones during pregnancy and risk of childhood behavioural problems: The Kyushu Okinawa Maternal and Child Health Study. Int J Food Sci Nutr. 2021; 72: 1118-1127. ※3オッズ比とは関連の強さを表す指標のことです。オッズ比が1の場合、関連が全く無いことを示しています。1より大きい場合、リスクが上がる方向を示しています。1より小さい場合、リスクが下がる、つまり予防的であることを示しています。いずれの場合も、1より離れるほど、関連が強いことを示しています。 参考資料:研究成果の詳細の一部 シェア
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ソース:https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/0403_01/index.html?link=rss
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興味深い研究結果ですね。妊娠中の母親の食事が子どもの仲間関係に影響を与える可能性があるというのは、意外な発見です。今後もこの研究がさらに進展し、母子の栄養に関する理解が深まることを期待しています。