- 日清食品グループと慶應義塾大学医学部が共同研究を行い、自律神経活動指標とプレゼンティーイズム値の関連性を実証
- ウェアラブルデバイスを使用して心電図データを毎日計測し、健康経営やWell-being向上に活用
- 社員の健康管理や生産性向上のため、プレゼンティーイズム値を可視化し改善に取り組む
- 700名の社員にApple Watchを貸与し、心電図データなどを収集。その結果、自律神経活動とプレゼンティーイズム値に関連性があることを実証
- 研究成果を社員のセルフコンディショニングに活用する予定。慶應大学との共同研究を通じてWell-being向上を目指す
日清食品グループと慶應義塾大学 医学部のWell-beingに関する共同研究 Apple Watchを活用して自律神経活動指標とプレゼンティーイズム値の関連を実証
日清食品ホールディングス株式会社 (社長・CEO:安藤 宏基) は、慶應義塾大学 医学部 スポーツ医学総合センター (医学部長:金井 隆典、以下 慶應大学) と社員のWell-being向上を目的としたアルゴリズム開発に関する共同研究を行い、自律神経活動と生産性に関連があることを実証しました。
日清食品ホールディングス株式会社 (社長・CEO:安藤 宏基) は、慶應義塾大学 医学部 スポーツ医学総合センター (医学部長:金井 隆典、以下 慶應大学) と社員のWell-being向上を目的としたアルゴリズム開発に関する共同研究を行い、自律神経活動*1と生産性に関連があることを実証しました。 ウェアラブルデバイスから毎日計測できる心電図データを健康経営にも活用 弊社は、「テレワークうつ 予防チーム」による社員のケアや産業保健体制の強化など、社員のWell-being向上のためのさまざまな活動を行っています。中でも、心身に何らかの症状を抱えた状態で勤務し、本来のパフォーマンスが発揮できない状態を意味する「プレゼンティーイズム」は、健康経営において重視すべき指標であり、弊社でも予防や改善に取り組んでいます。 その一環として、自身でも気付きにくい「プレゼンティーイズム」を可視化し、Well-beingを向上させるアルゴリズムの開発を目的として、2022年度から慶應大学と共同研究を進めています。 2023年4月から日清食品籍の社員約700名に心電図が計測可能なApple Watch*2を貸与し、休日を含めた6カ月間、毎朝30秒間測定した心電図データのほか、歩数や睡眠時間のデータを収集しました。それらのデータを慶應大学が分析した結果、ストレスや疲労などの状態把握に有効な自律神経活動指標とプレゼンティーイズム値*3に関連があることを実証しました。 弊社では、この研究成果を社員のセルフコンディショニングに活用していく予定です。 *1 血圧や呼吸など、生命活動を維持するための体内調整を行う神経活動。 *2 今回の研究では、心電図機能を搭載したApple Watch Series 8を使用。 *3 健康問題による仕事のパフォーマンスの低下を表す指標。値が低いほど業務遂行能力が低下している状態を指す。 慶應大学との共同研究について 目的採血のように身体に負担をかけることなく、ウェアラブルデバイスを用いて取得できる心電図データを活用して、ストレス状態、運動強度や運動量、睡眠時間を客観的に評価し、Well-being向上を目的とした行動変容を促すアルゴリズムを開発すること。 参加対象日清食品籍 (日清食品のほか、日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む) の国内社員 約700名 分析方法2023年4月1日から9月30日までの183日間、心電図が計測可能なApple Watchで毎朝30秒間測定した心電図データのほか、歩数や睡眠時間のデータを統計的に解析 課題これまで、心電図データの解析には医療機関で用いるような心電図測定装置が必要で、頻繁に測定することは困難でした。しかしながら、心拍数や心拍変動は、睡眠、食事、ストレス、病気など多くの要因で常時変動していることから、ある一点で捉えた心電図データでは、うつや不安、ストレス、Well-beingの予測が難しいという課題がありました。 また、社員の「プレゼンティーイズム」も、年に数回実施するアンケートで測定するのが一般的ですが、主観的であるうえに測定の頻度も低いことから、測定結果に基づいて対策を立てづらいという課題がありました。 概要と結果毎朝の心電図データ、歩数や睡眠時間のデータをApple Watchで収集し、ストレス状態や自律神経活動、「プレゼンティーイズム」との関係を検証しました。(図1) ストレスや疲労などの状態把握に有効な自律神経活動指標である “緊張度” と “活性度” の2軸でその日の状態を分類したところ、Cの位置にある時はプレゼンティーイズム値が高く、Bの位置にある時はプレゼンティーイズム値が低いことがわかりました。また、この分類に歩数や睡眠時間のデータを加味することで、評価の精度がより高まることが実証できました。 慶應大学 医学部 スポーツ医学総合センター 勝俣 良紀専任講師のコメント 企業にお勤めの被験者約700名を対象に、6カ月という長期間にわたって、毎日取得した心電図データを活用した研究は、従来にない大規模なものです。これまでは頻繁に測定することが困難だった心電図データを、常に身に着けているApple Watchを通じて取得することで、精度の高い心電図データを解析することが可能となりました。データ解析の結果、一定の法則性が実証されたため、ますます注目の集まるWell-being向上に役立つ、プレゼンティーイズム予測のアルゴリズム開発を加速できる見込みがあります。 日清食品グループの「健康経営」について 日清食品グループでは、創業者の安藤 百福 (あんどう ももふく) が掲げた「美健賢食 (びけんけんしょく)」(美しく健康な体は賢い食生活から) の精神に基づき、全社員が心身の健康を向上し、能力を最大限に発揮して業務にあたることを、経営における最重要課題の一つに位置付けています。2018年8月には「日清食品グループ健康経営宣言」を策定し、日清食品ホールディングスの代表取締役社長・CEOである安藤 宏基が責任者となって、社員の心身の健康保持・増進に向けた取り組みを戦略的に推進しています。全社員がWell-beingの向上と、仕事での高いパフォーマンスを両立できるよう、今後も社員の働く環境の整備に取り組んでいきます。
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- 日清食品ホールディングスがDow Jones Sustainability Indices (DJSI) World Indexの構成銘柄に5年連続で選定されたことは素晴らしいニュースですね。持続可能性に優れた企業として評価されることは、環境、社会、経済の側面からの取り組みが認められた証と言えます。日清食品グループが今後も持続可能な社会の実現に向けて努力を続ける姿勢は、社会的責任を果たす企業としての模範となるでしょう。
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この共同研究は、自律神経活動とプレゼンティーイズムの関連性を明らかにするという斬新なアプローチを取っている点が興味深いです。日清食品グループと慶應義塾大学の取り組みは、社員のWell-being向上に向けた具体的な成果を生み出す可能性があります。ウェアラブルデバイスを活用したデータ収集や分析を通じて、社員の健康管理や生産性向上につながる新たな展開が期待されますね。